心理学コラム:例のマンガに学ぶ 人を動かす最大の秘訣とは!?

こんにちは、ゆうきゆうです。
さて、つい最近「例のマンガ」というワードがtwitterでトレンドになりました。

読まれた皆さんの多くがこのワードで、感想を書かれてらっしゃったようです。

◆例のマンガとは?

「例のマンガ」というのは何なのか。
これはてつなつさんという方が描かれた漫画のことを示しているそうです。

簡単に説明しますと、同人ゲームを作ってらっしゃるスタッフさん達と、絵を描くことになった新人さんのお話です。
あらすじとしては、同人ゲーム制作のリーダーさんが、新人の絵描きさんが素晴らしいものを描いているにもかかわらず
「大したことない」とか
「全然ダメ」とか
ダメ出しをするのです。
それを受けて新人さんが奮起し、すごい作品を描いてきて、よかったね!という内容でした。

このマンガについては
「素晴らしい内容だ!!」みたいな感想もあれば、
「新人に対して強い指導になるからよくない」
という意見も結構あるようです。
いろいろ議論が紛糾するようなものでした。

◆感情移入にまつわる話。

このマンガを読んで、「この主人公の言動は許せん!」みたいに怒ってらっしゃる方も結構いますが、なかなか不思議ですよね。

例えば探偵漫画や推理漫画など、殺人・暴力の漫画は世の中にあふれているのですが、基本的にみんな何も言いません。当たり前に売られていますし読まれています。

他にも、旦那さんと奥さんがトラブルになるみたいな話はよくあると思いますが
暴力を振るった、刺した!とニュースがあっても、ただの暴力事件として扱われあまり話題にならないと思います。

一方で、今回のような「この作品は全然ダメだ」というような発言や、相手に対して性差別的な言葉を言ったらものすごく話題になるという。

取り上げられる要因としては、感情移入が強いことがあるかもしれません。
刑法的な重さに比例するわけではなく、身近なものの方が扱われやすい、というのは面白いなと思う今日この頃です。

◆よりよい指導方法とは?

今回のダメ出しのような指導について、心理学的に考えますと、新人を育てるに際してはあまりよくない手法だと思います。

人間というのは基本的に、ほめられることによってより育つと言われてます。

『すごく頑張ったね!』
『こんなに一生懸命やってくれたんだ』
『よくやったね』

と努力とか行動をほめるのがより良いですね。
すると相手は「もっともっとやろう!」と思えるのです。

そしてもし指導するなら

「ここはすごくいいけど ここだけもうちょっと直して」とか
「ここはいいけども ここだけちょっとあんまりよくない」とか

明確な形でほめ言葉とセットにしながら指導すると、一番理想的に相手の気持ちが動くと言われています。

「しかる」という行為に関しては、ある程度信頼関係ができていて、たまになら非常に意味があるでしょう。
でも「新人さん」の場合、いきなりしかるのはよろしくありません。
このマンガの新人さんは鼻息が荒い人だったので、たまたま奮起して頑張ることができうまくいきました。
でも実際はなかなか難しいと思います。

しかも、今回のように具体的な指示もせず
「とにかくダメだったよ」
みたいな感じで言ってしまうと、相手は伸びづらくなってしまいます。

いわゆるブラック企業もそうですね。
やりがいもよくわからず、毎日しかられてばかりで辛くなり、やがてうつになってメンタルクリニックにいらっしゃる方も本当にたくさんいます。

このように「しかる」もしくは「突き放す」ことによって奮起させようというのは、現実的にも心理学的にも非常に難しいのでご注意いただければと思います。

◆「例の」が生み出す効果

ちなみにこの「例のマンガ」という言い方がtwitterのトレンドになった、というのも面白いなと思います。
人間って「例のもの」といわれると、「何だろう?」と答えを探したくなり、より対象に惹かれてしまうのです。

これがもし具体的にその漫画の内容やタイトルを出していたら、皆さんそこまで気持ちが惹かれなかったのではないでしょうか。
「暗喩」「暗示」のように、明示しない言い方によってよりヒットしたのだろうなと思います。

というわけで、世の中にはさまざまな作品があるわけですが、読んだ人たちの間でいろんな考えが湧き上がるのは、なかなか漫画家冥利に尽きるのではないでしょうか。
自分もそういう作品を作っていけたらいいなと思います。

今回も、ここまで読んでくださってありがとうございました。

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