怖すぎる絵本「きれいなはこ」

こんにちは。ゆうきゆうです。

さてみなさんは「怖い絵本」というと何が思いつきますでしょうか。

色々とあると思うんですが、

この「ねないこだれだ」をあげる方も、多いと思うんですよね。

いえ実際、純粋に恐怖をメインにしたホラー型の絵本も結構存在するんですが。
この「ねないこだれだ」は、普通に子供がレギュラーに読む絵本の中に入ってるので、
幼少期にすごいインパクトを与えるという率では一番だと思うのです。

内容はまぁとてもシンプルで、
「夜遅くまで寝ない子がいたら、おばけが出てきて、おばけにされて、おばけの世界に連れて行かれちゃった」
というもの。

間違いなく教育的に「ほら、あの絵本みたいにおばけになっちゃうよ! だから早く寝なさい!」という意図で作成され、実際に使われていると思うんですが。
でも素直に読むと、本当に怖い。

「寝なかった」だけで「おばけにされて、おばけの世界に連れて行かれる」って、
罪にたいして罰が重すぎると思うんですよ。行きすぎパニッシュメント。

普通に読み取れば「死」ですからね。

くわえて絵本の中で、時間設定的に、夜8時とか9時とか、そんなレベルですからね。
それで寝てないとダメって恐ろしい。

本当に、子供にとって、非常に大きな衝撃になる絵本だと思います。
そして人間、緊張したり、恐怖感が強まるほど眠りづらくなるものですから、
これによって子供はさらに眠れなくなっちゃうリスクもあります。
とはいえ恐怖で「早く布団に入る」という習慣ができれば、それによって早く眠る結果になるかもしれませんけども。

まぁ、何にせよ、子供にインパクトを与える絵本として、一位二位レベルではないかと思います。

しかしですね。

実はこれよりさらにハードな絵本が存在します。

それこそが

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

この「きれいなはこ」。

作者は同じく、せなけいこ先生という方です。

タイトルはとても綺麗ですね。
でも何か、下に描かれている犬が不思議な雰囲気を醸し出しています。
なんかちょっとした違和感というか。

ここでは一部を引用しつつ、紹介していきましょう。

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

まず、「きれいなはこ」が落ちています。

何で落ちていたかは説明がありません。
冒頭から、何の脈絡もなく落ちています。落ちるなと。

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

そこにあらわれた、ネコとイヌ!

二匹は「きれいなはこ」だけに取り合います。
まぁ、ここまでは納得できる。

しかしこの直後、二匹は争い、ネコはイヌを引っ掻き、
イヌはネコにかみついてしまいます。
まぁ、取り合いになってるわけですからね。ケンカにつながることもあるでしょう。

すると!

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

きれいなはこから、おばけが出てきます。

またかー!
またお前かー!

激しくそう言いたくなります。
デザインからして、間違いなく「ねないこだれだ」のおばけです。

余談ですが、せなけいこ先生、このデザインの「おばけ」が大好きなようで、
描かれてる絵本の大半に出てきます。
岩谷テンホー先生のマンガに「くノ一」が出てくるのと同じくらいの率です。
煮詰まったらおばけ出してるんじゃないか、みたいに一瞬思うのですが、
まぁでも子供は、なんだかんだおばけが好きですからね。
先生のサービス精神なんだと思います。

まぁ、とにかくおばけが出てくるわけです。

ここでおばけは言います。

「友達をひっかくツメは長くなぁれ!
友達にかみつく口は、大きくなぁれ!」

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

うわぁ!
ネコさんのツメが!

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

うわぁ!
イヌさんの口が!

そう。表紙の口は、すでに大きくなった後だったのです。

これもちょっと、先ほどと同じく、パニッシュメント行きすぎ状態です。

おそらくツメの方は、まぁ、言ったらアレですけど、切れば元通りだと思うんですよ。ツメですからね。
指までふくめて長くされてたら最悪ですけども。

しかし口が大きくなったら、いや、これ現代の美容整形技術でも直せるの?
というレベルです。

噛んだ、という罪への罰として、本当に重いのではないかと。

そして二匹は抗議します。

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

「これじゃあ みんなと あそべない」

うん。
抗議の方向性がちょっと甘いと思うんですよ。

遊べるとか遊べないとか、そんなレベルじゃないだろうと。
人生、いやネコ生、イヌ生において、多大な障害になるだろうと。

さぁ!
そこでおばけの返答は驚くべきものでした。

何だったと思いますか!?

いやね、答え書いてあるんですけどね、すでに。
衝撃の答えが、同ページでサラッと書いてあるんですけども。

返答は

「それなら おばけに してあげよう」

何でだよ!と。

ひどすぎるだろ!と。

いかにも相手の抗議にたいして折れる形で、さらに罰を重ねていくスタイル。最悪です。

その結果、こんな姿になってしまいました。

怖すぎる絵本「きれいなはこ」

ひどいー!

切なすぎです。

「ねないこだれだ」の少年の数倍ひどい。

僕がこんな風にされたら、真っ先におばけ倒します。全力で。

まぁ、この物語の教訓は「ケンカしちゃダメだよ」ということだと思うんですけど、
にしてもひどい。

「そもそも争いのキッカケは、お前の『きれいなはこ』ちゃうんか」

って言いたい。何このマッチポンプ。

お前は悪魔か! って言いたい。
いや、おばけか。じゃあしかたないのか。

それで納得していいのか分かりません。

何にせよ、色々な意味でインパクトのある絵本、「きれいなはこ」。
みなさまもぜひ読んでみていただければ幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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