ベストボディ・ジャパンに出た、色白の精神科医。~心療内科コラム
ベストボディ・ジャパンに出た、色白の精神科医。
こんにちは。ゆうきゆうです。
さて最近、ベストボディ・ジャパンという大会に出てみました。
知っている方がどれくらいいるのか不明ですが、一言で言うと、ボディビルの大会です。
ただボディビルの大会と少し違うのは、
「そこまでマッチョであることが求められず、
健康的な美であるほど得点が高い」
というコンテストだそうです。
すなわち逆に、ものすごく筋骨隆々である必要はない、と。
ただ、何にせよ、肉体コンテストであることは変わりありません。
そして重ねて言いますが、自分自身、そこに出てみました。
文化系の自分がなぜボディビルコンテストに出たか。
いやね、本当にね。
自分自身、人生、ここまでずーーーっと、肉体派として生きてこなかったわけですよ。
仕事といえば精神科の診療とマンガ原作、という、肉体とは真逆の存在なんですよ。
学生時代は、体操部やダンス部、さらに少林寺拳法部という部活にも所属したんですが、いずれも3か月程度で挫折するという異色の経歴で。
大学6年間、唯一続いた部活が「マンガ研究会」という、もう筋金入りの変態、もといインドア派の人間なわけです。
しかも先ほど「体操部」と「少林寺拳法部」と言ったんですが、どっちも好きだったマンガ「らんま1/2」の影響ですからね。
少林寺拳法部はそのままですが、体操部はらんまがバク転とかしてるの見て、自分もしたくなって入っただけですからね。
実際に、バク転は何とかできるようになったんですが、一回頭を打って「これは人間が行うには危険すぎる」って思って即退部した面もありますから。
何て言うか、思いつきにより行動する人間です。
それはそうと、とにかくベストボディ・ジャパンに出ることにしてみたわけです。
というのも自分、今までほぼ一切運動してこなかったわけですが、まぁ、「マンガで分かる心療内科」でも
「うつの予防のためにはとにかく運動を!」
とひたすら主張してきたので、これ自分が運動してなかったらダメだな、と思ったわけです。
自分が今まで「運動」と呼んできたのは、自宅でできる体操やストレッチくらいですから。
もっと本気の運動してみてもいいんじゃないかと。人生で一回くらい。
そのため少し前からジムに通ってみたのです。
目標が重要。
とはいえそこまで本気でやっていたわけではなく、まぁ、「これマウスのクリックよりはカロリー消費してるかな」くらいでした。
ただやっぱり人間、目標がないとつまらないな、と。
ゲームも目標があるから面白いと思えるわけで。
実際に以前、TOEICを受けるのを決めたことで、英語の勉強にハリが出ましたし。
ですので「ただ単に体鍛えててもつまらないな」という思いから「じゃあコンテストに出よう」と一瞬で決めました。
ただ当然ですが、すんごいマッチョになる自信はありません。
それもあって、筋肉コンテストの登竜門ともいえる「ベストボディ・ジャパン」に出ることにしたわけです。
で、やっぱり目標があると違いました。
出場を決めたのが一か月前です。
そこから本気になって、自分なりに結構運動しました。
「マウスのクリック100回よりはカロリー消費してるかな」くらいは運動しました。
その結果、こんな感じになりました。
………。
いや、分かりますよ?
ボディビルの大会に出られるほどのアレではないのは分かりますよ?
でも一か月の本気トレーニングで、うっすらとはいえ、腹筋が割れてるように見えるわけですから、多少はまぁ、頑張った方じゃないですか!?
で、何より、そのベストボディジャパンには「写真選考」がありまして。
倍率がどれくらいかは知りませんが、とにかくそこは通ったわけですよ。
一応は認められたと。
そう思うことにしました。
ちなみに体脂肪率は、だいたい10%です。
トレーニングを始める前は、だいたい15%前後でした。
前提として「糖質制限(+肉食主義)」がありまして。
食事で糖質はほとんど摂っておらず、タンパク質を優先的に食べていました。
くわえてトレーニングですが、ジムに行って運動する以外は、ひたすら「スクワット」をしていました。
実際、人間の筋肉の70%は下半身にあると言われていまして、究極、スクワットをすることだけでも、体脂肪率は大きく減ります。
ただ「そうは言っても運動は面倒くさい」という人も多々いると思います。それすらも克服するある手法がありまして、自分はそれをしたおかげでほぼ毎日長時間スクワットができたのですが、このあたりはまたいつか扱えればと思います。
色白の人間が日焼けなしでボディビルに!?
さてしかし。
出るに際して、最大の問題がありました。
ボディビルといえば、「日焼け」をしているイメージです。実際に大半のホディビルダーの方は、ほぼ真っ黒です。
これはなぜか。
ジムの先生に聞いたところ、理由はシンプルで、日焼けをすると、胸筋や腹筋をはじめ、体のラインがクッキリするそうです。
試しに上の写真を、色調補正で「白め」「黒め」に変えてみます。
いかがでしょうか。
黒い方がマッチョに見えますね。
乳首が黒く染まるのはちょっとアレなんですが、それでもよりたくましく見えます。
これもあって、ボディビルダーさんは、みなさん真っ黒に日焼けされるそうです。
でも、あの。
日焼けって、正直、あまり得意ではないんです。
くわえてこのコロナ禍。
日焼けをすることによって、診療において
「この状況で、どこに遊びに行ってきたのか!?」
「真夏の海でウハウハしてきたのではないか!?」
と言われてしまう可能性もあります。恐ろしい。
何より日焼けって、肌へのダメージがあるわけですし。
自分自身、どっちかというと色が白めで、なるべく焼きたくないな…という気持ちもあります。
ですので何とか日焼けしないで済む方法はないか。
するとネット検索で「ボディに黒く色を塗る」という方法があることを発見しました。
何それすごい。便利。
しかし、ベストボディ・ジャパンのサイトでは、こうありました。
昨年まで、身体へのカラーリングオイルやタンニングスプレーを使用している選手が多数いらっしゃいましたが、ウォーミングアップやパンプアップ時の汗で身体からオイル剤などが色落ちしたことが原因で、大会会場より今年度の会場使用承諾が下りない会場が多数ございました。
何と、会場が汚れたという理由で、つい最近、禁じられてしまったらしいです!
困りました!
しかし!
続きがありました。
ただし、ベストボティ・ジャパン主催の全ての大会(コンテスト) の審査基準は、あくまでも健康美を競うコンテストである事から
・色が黒いから有利。
・肌が白いから優勝や上位入賞出来ない。
・肌が黒いと加点対象となる。などという事は、一切ございません。
むしろ過剰に肌を黒く日焼けされた状態よりも、自然なそのままの状態を当協会としては推奨しております。
おおお! 日焼けしなくていいと!
そこまで言ってくれるなら大丈夫だ!
となると、白い肌の場合、たとえマッチョに見えなくても、審査員の方の判断でちゃんと補正してくれるということですよね!?
やったぁ!
そもそもこの状況なら、自分以外にも自信を持って、白い肌の人間がいるはずだ!
そう思って参加してきました。
ついに結果が!
その結果がこちらです!
(左から三番目です。言うまでもなく)
自分だけ白い。
明らかに白い。
ていうか自分以外、全員黒い。
何かものすごい疎外感です。
まぁでも当然、日焼けしたら筋肉がよりよく見えるのは歴然とした事実ではあるようで。
やはりみなさん日焼けしたいようです。
なんか「みんなで日焼けしないでおこう」みたいな協定を作ってほしい。
遠目から見るとこうです。(ここでは右から三番目)
やはり白い。
パッと見で分かります。異質。
そんなアウェイの中、とにかくポーズを決めてきました。
なんかポーズというより、怪しい部族の踊りみたいな雰囲気がありますが、自分なりに頑張った次第です。
さらに!
こんなポーズまでしてきました!
構える!
ためる!
そして!
撃ったぁーーー!
かめはめ波!
または波動拳です!
とにかく大舞台でこの技を出したくてひたすら練習しました。
自分でも方向性を間違えてると思います。
こちらは画像処理です。すみません。
撃ったあと。
満足げな雰囲気です。
………で。
まぁ。
ここで結論を言いますと、惜しくも決勝戦まで残ることはできませんでした。
というといかにも準決勝までは残ったみたいな雰囲気出るんですが、実際は「予選」と「決勝」しかないので、まぁ、負けたということです。切ない。
このブログのタイトル、最初は「精神科医がベストボディジャパンの勝ち方を教える」って書いたんですが、そもそも勝ってないな、と思って内容を変えました。
で、実際、僕以外にも色白の(日焼けしてない)方もいたんですが、その方も落ちていました。
悲しい。
その後、実際にジムの先生に聞いてみたところによると
「建て前に惑わされるな。いいから勝ちたきゃ焼け」
だそうです。(意訳)
とはいえ、まぁ、日焼け以上に、やはり筋肉量が足りていなかったのが大きな原因だと思います。
やはり一か月のトレーニングでは限度がありました。
体脂肪率3%!?
特に体脂肪ですが、最終的に10%前後で大会に臨んだのですが、やはりジムの先生によると
「10%では勝負にならない。5%にして、そこではじめて決勝に行けるかどうか、という土台に乗れるというだけ」
だそうです。
しかも人によっては3%とかの人もいるとか。
3%。
すさまじい。
導入直後の消費税かと。
「そ、それって…。健康的に、問題は、ないんですか…?」
自分の質問に、ジムの先生は、不思議そうな顔をして答えました。
「けん、こう…?」
まるで「そんなワード想定してなかった」みたいなリアクションでした。
何だろう。
「空手で瓦割りをして、健康に問題はないんですか…?」
「けん、こう…?」
みたいな。
「ボクシングでクロスカウンターをして、健康に問題はないんですか…?」
「けん、こう…?」
みたいな。
「何その無関係の話題?」
「はじめて聞かれた…!」
というような雰囲気を感じました。
そもそも、たとえば先ほどの「らんま1/2」をはじめとする格闘マンガとかでも、
「命を削って発動する必殺技」とか
「ダメージを受けることで強い攻撃を出す」みたいな展開も多々あり、そこで
「健康に問題はないのか」
と聞くこと自体ナンセンスだと思います。
そういえば上野のアメ横で、ベトナムから輸入されてきたという食べ物を買おうとした際に
「これ賞味期限って大丈夫なんですか?」
と店の人に聞いたら
「そんなの気にする人間はこれ食べないよ」
と言われたことを思い出しました。
健康とか気にする人間は、そもそもそこまで筋トレしないのかもしれません。
まとめ
ただ、です。
現場にいたマッチョな男性たちは、みんなとても紳士的で、穏やかで、優しい雰囲気の方ばかりでした。
そういう意味で「運動は精神的にいい」ということは、図らずも証明されたのかもしれません。
とりあえず健康的にどうかは不明ですが、精神的にはアリだという。
良かった。まとまった。
とはいえ、とりあえずこのままでは少し悔しいので、一応は健康のことを考えつつも、あと少し鍛えて、またチャレンジするかもしれません。
人生すべて経験だなぁ、と思いつつ、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(おまけ)
悠々と歩くマッチョマンたちと、手持ち無沙汰なゆうきゆう。
堂々としてる感じが違う。
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