心理学的にヤセる人、太る人の決定的な差。

◆ ジムで気づいた恐るべき法則

こんにちは。ゆうきゆうです。
最近よくジムに行って運動したりしています。

ジムには入浴設備があって利用するのですが、そこには「体重計」が置いてあります。

ここで、面白いことに気づきました。

ジムに来る人には、さまざまな体型の人がいます。
マッチョの人、ヤセている人、または太っている人などなど。

そしてマッチョに近い人ほど、よく体重を測っています。

しかし太っている人は、まったくと言っていいほど、体重計に乗らないのです。

何でだろう、と思っていたのですが、つい最近、答えが分かりました。

太っている人は、
「太っているから、体重計に乗らない」のではなく。
「体重計に乗らないから、太っている」のではないかと。

◆ 記録するだけでヤセる!?

以前に「レコーディング・ダイエット」という言葉が流行したことがあります。

ダイエットにはたくさんの種類がありますが、そのダイエットは、文字通り「記録する(レコードする)」というだけ。
自分の体重や食事などのデータをただ記録し続けるだけで、ダイエットできる、というわけです。

実際、よく「○○するだけダイエット」が流行します。
やはりダイエットをしたい人は、「ラクをしたい」と思うようで「○○するだけ」という名称は魅力的なのかもしれません。

とはいえそんなウマい話はそうそうないようで、大半の「○○だけダイエット」は、続かなかったり、効果もそこまでではないことが多いようです。

しかしこの「レコーディング・ダイエット」は効果は高いようで、多くの人が体重を減らしたようです。
もちろん、測定すらも面倒くさくなってやめちゃう人は続かないわけですが…。

ではこのレコーディング・ダイエット、どうして効果があったのでしょうか。

◆ 意識で行動が変わる?

心理学的には、人間は「何かに意識を向け続けると、気持ちや行動が変化してくる」と言われています。

たとえば「健康診断が近づくと、健康的な食事を意識する」人は多いですね。
これは健康診断が近づくことで、「健康」を意識し、せめて食事だけでも変えておこう、と思うわけです。

よって体重や食事などを記録させることで、毎日「記録するからにはせめて良いデータにしたい」と思い始め、食事や運動に気をつけようとする…と思うのです。

他にも試験があったとします。
その試験を「ただ受けっぱなし」にするより、
「点数を毎回部屋に貼り続ける」とした場合。やはり成績は上がっていきやすくなるはずです。

これは点数を測定し、なおかつ部屋に貼ることで「ヘンな点数を取ったら恥ずかしい」「良い点数ならより誇らしい」と意識させ、勉強時間に変化を起こさせるからです。

◆ まずは記録すること。

よってみなさんも、何か「行動を良い方向に変えたい」と思うのなら、とにかくまず「記録する」ことから始めること。

たとえば自分はFocus To-Doというアプリを使用しています。
これは自分の作業時間を測って、記録として残してくれます。

よって「こんなに時間がかかってしまった、もっと集中しよう」とか「今日はこれしか勉強していない」など、あとから考えることができます。
その結果、より仕事や勉強時間が濃密になるわけです。

◆ 落ち込みがちな人のワナ。

また精神科医として診察をしている中で、落ち込みやすい人、うつになりやすい人に「特有の思考」があることに気づきました。
それこそが「悪いことばかり思い出す」という傾向です。

そのため

「あのときの失敗があるから行動できない…」
「今日もこれだけミスをしてしまった…」

そんなふうに、ネガティブなことばかり意識してしまっています。

これもあまりよくありません。

よってこんなとき「良かったこと」を日記として記録することを勧めたりします。

「今日はこんな楽しいことがあった」
「今日はこういうことができた」

もちろん「ない」と思うこともあるでしょう。
そんなときでも「ケガしなくて良かった」など強引でもいいので記録することです。

すると良いことをどんどん意識するようになっていき、気持ちも少しずつ前向きになっていくのです。
どうか覚えておいてくださいね。

◆ 今回のまとめ

○ 人間は、記録などで意識することで、気持ちや行動も変わっていく。
○ ヤセたいならただ体重や食事を記録していこう。
○ 前向きになりたいなら「良かったこと」を記録しよう。

◆ さいごに。

ちなみにジムでもう一つだけ気づいた法則があります。

それこそが「おじいちゃん、めちゃくちゃ体重測る」という点です。
常に体重測ってます。
ややもすると、一回体重を測り、体重計から降り、数十秒後にまた乗ったりしています。

いや、変わらないよ!?
そんなすぐに変わらないよ!?

そう思うわけですが、「ただ単に、測った体重を忘れているだけ」なのではないかと思いました。
いやそれ以前に、体重を測ったことすらも忘れているのではないかと。

色々と切ない方向に意識がよりつつも、ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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