「私には○○が足りない!」と嘆く方へ。

「私には○○が足りない!」と嘆く方へ。

こんにちは。ゆうきゆうです。

さてよくネットで悩み相談を受けたり、またはクリニックに来る患者さんのお悩みをお聞きしているわけですが、よくある悩みとして「比較」があります。

「あの人に比べたら、自分はこんなものが足りない」
「あの成功者と比べたら、自分はこんなにうまく行っていない」などなど…。

そんなふうに比較し、自分に足りないものを考えて、それによって劣等感を抱いてしまうわけです。

これね、本当に、もしこの世界に一人で生きていたら、そんな悩みって抱かないと思うんですよ。

たとえば「足が短い人」がいたとしても、他に人間がいなかったら、それをネガティブに思うことなんてないでしょうし。

とはいえ、当然ですがそんな状況はなく。
人間は「群れ」を作ることで協力しあって、こうしてうまく生存し、社会を繁栄させることができています。

ただその協力や群れの結果、他の人と常に一緒にいることで「比較」してしまうわけです。
この群れのメリットとデメリットは表裏一体ですね。

もちろんその比較によって「だからもっと頑張ろう!」と思えればいいのですが、たいていの場合、比較して、落ち込むだけで終わってしまいます。

そんなときに覚えておいてほしいのが、今回の話。

持っていないもの、足りないものを嘆いていると、人間は不幸になるばかりです。

それよりも、自分が持っているもの、または人より上だと思えるものを考えてみましょう。そうすると今すぐにでも幸福になれます。

いえ、そういうと「オレは何も持っていない!」とか「私は何も優れたものがない」という人もいるかもしれません。

しかしそれは、あまりにネガティブによりすぎです。
たとえばあなたはこうして僕の書いている文字を読めています。であれば、目が見えない人が強く望む「視界」を持っています。
また手を動かせるなら、手を動かせない人より、ずっと恵まれているはずです。

究極、このあとに重大事故にあって、その大半を失ってしまうことがあれば、「ああ、あのときの自分に戻りたい!」と熱望するのではないでしょうか。それが、今です。

またよくありがちな思考で「あの成功者はこんなにうまく行っているのに」「あの人はこんなに恵まれたものを持っているのに」と思うこともあるかもしれません。
しかし実際に、その人には、その人なりの悩みが、ちゃんとあります。
成功することで、毎日毎晩、それを失う恐怖と戦っていて、眠ることもできないかもしれません。
または他人が信用できず、一人で孤独に生きているかもしれません。

よく有名人や成功者が薬物を使用している、みたいなニュースもありますが、あれも孤独やストレス、苦しみが存在することの証明ではないか、と思ったりしています。

何にせよ、持っていないものをうらやんだら、キリがありません。この世の中に、すべてを持っている人なんていないのです。
また何を持っていても、老いと共に失ってしまうこともあります。「美」なんて特にそうです。

結局何十年もたてば、僕たちはみんな死んでしまいます。
何を持っていても、それまでの短期所有。レンタルしているのと同じなのです。

だからこそ、今持っているものを今大切にしましょう。

どんな人にも、時間は今しかないんです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

「私には○○が足りない!」と嘆く方へ。

プロフィールはいつも同じなので省略しますが、女医ちゃんです。

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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このページは、ゆうメンタルクリニックの医師・スタッフが監修・制作しております。

特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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