今際の国のアリス、マンガとドラマの最大の差【心療内科のマンガコラム】

(多少のネタバレを含みます。極力、マンガを読む楽しみを奪わないよう配慮しておりますが、ご了承の上お読みください)

今際の国のアリス、マンガとドラマの最大の差【心療内科のマンガコラム】
c) 少年サンデーコミックス 麻生羽呂
以下同じ

◆今際の国のアリス とは

あなたは今際の国のアリスというマンガをご存じでしょうか。
最近はネットフリックスで実写化され人気なので、興味をもたれていた方も多いでしょうし、またはそれ以前から読まれていた方もいるかもしれません。

今際の国のアリス、マンガとドラマの最大の差【心療内科のマンガコラム】
c) Netflix

一言で言うと、いわゆる「デスゲーム」のマンガです。
主人公であるアリス(苗字です)は、突然「今際の国」に飛ばされてデスゲームを行います。

内容としては、ゲーム一つ一つがトランプになぞらえられて4種類展開されます。
スペード:肉体派のゲーム
ダイヤ:知性派のゲーム
クローバー:プレイヤーが協力して行うバランス型
ハート:心理戦 (文字通り心を削る、残酷なゲームです)

このようにゲームが区分けされ、バラエティに富んだ、最初から最後まで飽きさせない内容となっています。
さりげなく最終巻には自分自身も心理協力をしております。さりげなく。

◆なぜ最後まで面白い?

さて一般的に。あくまで一般論ですが。
デスゲームマンガというのは、得てして中だるみしやすいものです。
話の入口はドキドキさせるものですが、その後も、新しく面白いゲーム展開を起こし続けるのは難しいのかもしれません。
または魅力的なキャラであっても、デスゲームの都合上、ガンガン死んでしまう展開が増えります。
その結果、読者にとって、興味を維持しづらい展開になることも多々あります。一言で言うと、飽きられます。

しかし!
このマンガはとてもバランスが取れており、長く楽しめると感じました。

また、デスゲームのマンガの多くは、キャラクターたちが途中で傷ついても、クリアさえすれば回復するという設定が多い印象がありました。演出のハードさとキャラクタの長期登場を考えたら、まぁ、やむなしのシステムです。

ところがこの作品では、ケガをしても一切回復せず話が進みます。ですのでたとえクリアしても、大けがをして次のゲームで死ぬ、みたいなのも多々あります。
それ以前に衣食住も保証されないために 蛇などをとって食べたりするという、サバイバルそのものがかなり大変な世界となっています。
自分が飛ばされるとしたら、最も遠慮したいデスゲーム世界の一つです。

今際の国のアリス、マンガとドラマの最大の差【心療内科のマンガコラム】

また、デスゲームと言えば「生きるか死ぬか」のドキドキがメインのため、人物たちの心情描写は二の次・三の次になってしまいがちです。
しかし「今際の国のアリス」では、主人公の心の成長が根幹にあります。
過去を克服したり、敵と対峙することで経験を得たりと、深みが感じられました。

ちなみにゲームは色々ありますが、個人的にオススメのゲームシーンは、ダイヤ(知性)のキングの「美人投票」ですね。みんなで投票をし合うという内容なのですが、ドラマ展開も面白く、激しく納得できる内容でした。

◆ドラマは?

ちなみにネットフリックスのドラマも、今回拝見させていただきました。
いくつかドラマなりのアレンジがされています。
1つ目として、マンガで最初のゲームである「おみくじ」を使ったゲームは、なんかシンプルな、ビルの部屋めぐりゲームに変わっていました。
マンガにおいては、「何万本の火のついた矢」が飛んでくるという展開があったのですが、さすがにドラマのCG技術でもその再現はハードだったのでしょうか。またはネットフリックスだけに、海外において「おみくじ」という日本のシステムは理解されづらいと思ったのでしょうか。何にせよまぁゲーム内容の変更がありました。
ちなみに新しいゲームを簡単に説明すると、
二択の繰り返しで、犠牲を繰り返して中をめぐっているうちに主人公がひらめき…というゲームなんですが、必然、最初のあたりの二択は完全にノー情報のギャンブルなので、これは無慈悲すぎるな、と思いました。
またバスを使った別のゲームもやはりドラマアレンジされているのですが、こちらもマンガの方が自然な展開だったな、と思いました。

とはいえ! それでもマンガにはない展開や、また不必要なほどにはさまれるお色気もあり、ドラマはドラマで十分に楽しんで観ることができました。

自分でも注目点が微妙だな、と思いつつも、「今際の国のアリス」大変オススメです。ぜひ。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
(完)

マンガはこちらです!

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