「夜回り先生がうつ病?」精神科医から3つの分析〜心療内科コラム

「夜回り先生がうつ病?」精神科医から3つの分析〜心療内科コラム

夜回り先生という方をご存じでしょうか。

行き場をなくした多くの青少年の相談に乗ってきて、そしてたくさんの著書も出されている方です。

その方が、うつ病になったのでは?ということを、自分の読者の方に教えていただきました。

ブログを見ますと、こんな内容がありました。

「夜回り先生がうつ病?」精神科医から3つの分析〜心療内科コラム

夜回り先生のブログより)

内容として「疲れました」だけですので、正直、これだけで「うつ病」と診断することはできません。
ただ確かに、落ち込まれているのは分かり、ある意味、うつ病の入り口こと、ごく初期の抑うつ状態と考えることはできます。

では、なぜこのようになってしまうのでしょうか?

理由1 表現者はうつ病になりやすい!

そもそものところ、「表現者」の方というのは、うつ病になりやすいものです。
作家の方、漫画家の方、またはイラストレーターさんなどなど…。メディアに関わり、特に自分一人で書籍を書いたりされている方は、自分の印象ですが、結構うつ病になりやすいように感じます。

そもそも、「敏感になりやすい性格」の方は、うつ病になりやすいとされています。敏感だからこそ、色々なストレスを真面目に受け取ってしまい、逃げられなくなってしまうわけです。

そして「敏感」ゆえに、細やかな部分に気づき、色々と表現もできる、すなわち本を書いたりもできる、というわけですね。

理由2 悩みを受ける人はうつ病になりやすい!?

また、「悩みを受ける方」って、実は結構、うつ病になりやすいものです。
なぜなら、エンドレスな悩みに晒されているうちに、感化されてしまうこともあるからです。

とはいえ、精神科医やカウンセラーは、うつ病になりやすい、ということはそんなにありません。
なぜなら、精神医学や心理学の技術を学び、訓練を積み、またカウンセリングなどは明確に時間を決めて行われているからです。
しかしながら、「ただ色々な人の悩みを聞く」という場合、時間なども明確に定められず、エンドレスに巻き込まれてしまうこともあります。すると自分の時間との区別がつきづらくなり、疲労を感じてしまい、結果うつになってしまうこともあるかもしれません。

理由3 無力感になる時期

そしてラスト。
このブログの表記に「相談している側が、自分の本を読んでくれていない」というものがあります。これはかなりの無力感だと思います。
何より「今までの仕事に意味がなかったのではないか」という悲しみがあるのではないでしょうか。

それこそ「定年後うつ」という言葉もありますが、人間、「今まで何をしてきたんだろう」という気持ちになることで、うつ病になってしまうこともあります。
そういう意味で、夜回り先生自体、そのくらいの時期にさしかかられているのかと思います。

色々と大変な状況かとも思いますが、必要に応じてメンタルクリニックに掛かられるなど、お早い回復をされますことを、心から願っております。

ちなみに自分は、心理学を使うことで、一切うつ病とは無縁な人生を送っております。人生最高に楽しい。
なので、自分がネガティブなことを言いだしたら、「あぁ、純粋にフラれたんだろうな」とか「バスト成分が足りないのかな」とか思っていただければ幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

「夜回り先生がうつ病?」精神科医から3つの分析〜心療内科コラム

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ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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