習慣を続けられる最重要な考え方!ただ、生きてさえすればいい。~女医が教える心理学

習慣を続けられる最重要な考え方!ただ、生きてさえすればいい。~女医が教える心理学

 今回のテーマは、人生において何より大切なことは継続すること、そして継続するためにはどうしたら良いか、というテーマでお話します。

すごいことを成し遂げられなくてもいい。「私たちは生きていさえすれば良いのよ」

 さて、世の中にはいろいろなドラマや映画、小説、そういった物語があります。
その中で記憶に残っているものは何かと聞かれたら、すぐに思いつくものとして太宰治先生の「ヴィヨンの妻」という小説があります。

その小説の中に、主人公の奥さんがいらっしゃるのですが、その奥さんがすごい大変な目、辛い目に遭います。

そして最後に一言、「私たちは生きていさえすれば良いのよ」と言います。

これは自分の心の中に染み入る言葉だなと思います。

例えば、ものすごいことを成し遂げたらもちろんそれは素晴らしいし、何かを作り出したら素晴らしいけど、そうでなかったからといって気に病む必要はありません

トップの成績になったら素晴らしい、そのための努力も素晴らしい。けど、そうなれなかったからといっても気にする必要はないよというのがこの小説のテーマとして語られているのではないかなと考えています。

太宰治先生は途中で自殺してしまったので、「生きていさえすれば良い」というのは、なかなか難しいということなのかもしれません。
難しいことだからこそ「生きていさえすれば良い」というテーマには、揺らぐことのない価値があると皆さんも認識していただければと思います。

習慣化において重要なのは、「続けていさえすれば良い」という精神!

習慣を続けることについても、この考えは役に立ちます。

例えば、自分はマンガを作っています。マンガもずっと継続して作ることが重要です。

例え、トップ1位の人気になれなくても継続し続けること、連載し続けること、これが重要だと考えて自分は頑張っています。
これはすべての仕事やビジネス、いろいろなものに対しても言えるのではないでしょうか。

すごく良い成績を上げるのはもちろん素晴らしいことです。

ですがそうではなくても、一個の仕事を継続すること、勉強で成績が振るわなかったとしてもその勉強をしつこく繰り返していくことには価値があります。

そしてその積み重ねこそが最終的に大きな達成に至ると考えます。

どうしても習慣化できない方へ。継続させるための秘訣とは!

そうは言ってもどうしても継続できない人もいるでしょう。

その場合、何より重要なのはその習慣で行っていることを最優先で済ましてしまうことです。

例えば、日記を書くというのを習慣としてやりたいのであれば、日記をとにかく朝一で書く、日記を書くまでご飯を食べない、というように日常的なやるべきことやだらだらとやってしまうことを後回しにして、最優先で日記を書くと決めた方が良いかなと思います。

ご飯を食べた後にしよう、ちょっと休んだ後にしようと後回しにしていくと、いつの間にか体力が切れてしまって、辞めてしまいます。そして1日、2日やらなかったりすると、継続する気力がなくなってしまうんです。

ですので、とにかく1日すらも欠けないように頑張ろうということが大事です。

そのためには、最優先で習慣化するものを先に行うことが重要だと考えます。

 「水槽の中に大きな石をまず入れろ」という話があります。
最初に小石とか砂利とかで水槽を敷き詰めてしまうと、大きな石は後からは入りません。
しかしながら、大きな石を先に入れてしまえば、そこに後から小石や砂利を隙間に入れることができます。

これは日常生活でも同じで、何より自分にとって重要なことを最優先でやりましょう。
その後で空いた時間に好きなことをやったらいいんです。

最初にどうでも良いことや、あまり重要視しないことをやってしまうと、それだけで一日が埋もれてしまいます。

そうすると後から自分にとっての大きなものを入れることができません。

ですので、本当に行動の順序は重要です。

そのような行動を継続していれば、それが積み重なって大きな成果に至ると考えます。

まとめ

というわけでまとめますと、

「とにかく生きていさえすれば良い」がキーワード。

結果だけを求めるのではなく、まずは継続していくことを最重要視する。

自分のやるべきことや習慣的なものを最優先で行う。

でした。

少しでも参考になることがあれば幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

音声で聞きたい方はこちらから「習慣を続けられる最重要な考え方!ただ、生きてさえすればいい。

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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