不登校=失敗じゃない。学校以外の「居場所」を探そう!【医師が解説】

「学校に行けない」「クラスに居場所がない」「友達とうまく関われない」
そんな悩みを抱えている子どもたちが、年々増えています。
文部科学省の調査によると、令和4年度の不登校児童生徒数は過去最多の約29万人を記録しました。
もはや不登校は特別なことではなく、多くの家庭で直面している現実です。
しかし、いざ我が子が学校に行けなくなったとき、多くの保護者は戸惑います。
「どうしたら元に戻れるのか」「このまま引きこもってしまうのでは」と不安が募るのも無理はありません。
けれど、不登校=失敗ではありません。
それは、今の学校生活がその子にとって「合っていない」というサインかもしれないのです。
発達の特性が「生きづらさ」につながることも

発達障害やグレーゾーンの傾向があるお子さんの場合、周囲とのコミュニケーションや集団生活の中で、どうしても不器用さが目立ってしまうことがあります。
本人は悪気がなくても、「空気が読めない」「浮いている」と思われてしまったり、からかいの対象になってしまったりすることもあります。
特に同世代の集団はとても敏感で、ひとりひとりの性格や関係性によって、居心地の良さが大きく変わってきます。
たった一人でも理解してくれる友達がいれば、日々の安心感は大きく違いますが、クラス替えなどで離れてしまうと、急に孤立感を感じてしまうこともあります。
そんな状況が続くと、「行きたくない」という気持ちになってしまうのは、ごく自然な反応だと言えるのではないでしょうか。
「学校以外の居場所」を持つという選択肢

そんなときにぜひ考えてほしいのが、「学校以外の居場所をつくる」という選択です。
居場所とは、心を開ける場所、安心して過ごせる場所、自分らしくいられる場所のこと。
それは、必ずしも学校だけではありません。
たとえば、興味のある習い事の教室や、アート・プログラミングなどの創作活動、ボランティアや地域の活動、フリースクール、支援教室など——子どもが自分のペースで関われる環境は、実はたくさんあります。
どこか一か所でも「ここにいていいんだ」と思える場所があるだけで、傷付いた心の回復度合いがだいぶ違うのではないでしょうか。
外の世界とのつながりが持てることは、自信や安心感につながり、その後の行動範囲や意欲を広げてくれる力にもなります。
「学校に行くこと」は目的ではない
私たちはつい「学校に行けるようにすること」がゴールのように感じてしまいがちですが、本来の目的は「お子さんが健やかに育つこと」のはずです。
学校に戻ることだけにこだわるのではなく、まずはその子が安心して過ごせる環境を整えること。そして、その中で自己肯定感や意欲を少しずつ回復していくことが、結果として将来的な自立や社会参加につながっていきます。
不登校は、「逃げ」ではありません。ひとりひとりの歩幅に合わせて、別の道を探していく過程こそが、その子の未来をつくる土台になります。
まとめ

お子さんが学校に行けなくなったとき、無理に戻そうとするのではなく、「今この子が安心して過ごせる場所はどこだろう?」という視点で、居場所探しをしてみてください。
どこかに「ここでなら大丈夫」と思える空間があることは、子どもの心にとって大きな支えになります。
そして、保護者の方自身も、悩みや孤独を抱えすぎないよう、周囲の支援を活用してください。
不登校は失敗ではありません。むしろ、子どもの個性に合った新しい道を探すチャンスでもあります。
その子らしい歩みを、あたたかく見守っていけますよう願っております。

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