「住まい」は、こころの調子にも関係しています

こんにちは、医師の森しほです!
実は私は産業医として働きながら、宅建士の資格も持っています。
「なぜ医療職なのに宅建士?」と驚かれることもあるのですが、住まいはこころにかなり影響すると感じているからです。
発達障害、うつ、双極性障害、統合失調症などを抱える方にとって、住まいは単なる“寝る場所”ではありません。
音、光、通勤、人との距離感、そうした毎日の小さな刺激が、心身の調子に大きく関わることがあります。
今回は、「メンタルと住まい」をテーマに、暮らしを少しラクにする工夫をお話ししたいと思います。
「住まい」は、こころの調子にも関係しています

「最近なんだか疲れやすい」
「家に帰ると動けなくなる」
「休んでいるはずなのに回復しない」
そんなとき、つい「自分の頑張りが足りないのかな」と考えてしまう方もいるかもしれません。
でも実は、毎日過ごす“住まい”や“生活環境”が、こころや脳の疲れに影響していることがあります。
特に、
- 発達障害
- うつ
- 双極性障害
- 統合失調症
- 感覚過敏
などがある方は、音・光・人混み・通勤などの刺激で、知らないうちにエネルギーを使いやすいことがあります。
逆に、自分に合った住まいに変えたことで、
「前より眠れるようになった」
「気持ちが落ち着いた」
「仕事との両立がラクになった」
という方も少なくありません。
① 通勤時間は、思っている以上に負担になることも

家賃を抑えるために郊外に住む方も多いですが、長い通勤は、心身にじわじわ負担をかけることがあります。
特に、
- 発達障害
- 感覚過敏
- うつ傾向
- 不安が強い方
などでは、満員電車や騒音、人混みだけでぐったりしてしまうこともあります。
「通勤くらい普通にできなきゃ」と思ってしまう方もいますが、脳が疲れやすい特性がある場合、それは決して甘えではありません。
都心に住むメリット
- 通勤時間を短くしやすい
- 睡眠時間を確保しやすい
- 体力を温存しやすい
- リモートとの併用がしやすい
郊外に住むメリット
- 家賃を抑えやすい
- 広めのお部屋を選びやすい
- 静かな環境を見つけやすい
- 自然に触れてリフレッシュしやすい
どちらが正解、というよりも、
「自分がどこで疲れやすいか」
を基準に考えるのがおすすめです。
② リモートワークでは「切り替え」が大切

最近はリモートワークや在宅勤務も増えました。
一方で、発達障害のある方や、うつで集中力が落ちやすい方では、「仕事」と「休息」の切り替えが難しくなることがあります。
ベッドのすぐ横で仕事をしていると、ベッド=休むところというイメージで脳が仕事モードに切り替えられず、仕事に集中しにくい可能性があります。また、反対に、夜ベッドに入っても脳が休まりにくくなり、不眠や疲労感につながることもあります。
デスクワーク・クリエイター職の方におすすめ
- 作業スペースを分けられる間取り
- 日中に自然光が入る
- 静かな環境
- 長時間座っても疲れにくい空間
特にクリエイターや文章仕事、IT系など、“脳を使う仕事”では、部屋の環境が集中力にかなり影響することがあります。
一方で、力仕事や外回り中心のお仕事では、「家ではしっかり休めること」を優先したほうが合う場合もあります。
③ 日当たりや、光に気を付けてみましょう

こころの不調があるとき、生活リズムが崩れやすくなることがあります。
朝に太陽の光を浴びることで、体内時計が整いやすくなり、睡眠や気分の安定につながることもあります。
ただ、「明るい部屋なら誰にでも良い」というわけではありません。
感覚過敏がある方では、
- 強い西日
- まぶしさ
- 外の音や視線
などがストレスになることもあります。
そのため、
うつ傾向がある方
→ 朝日が入りやすい部屋
睡眠リズムが乱れやすい方
→ 遮光しやすい寝室
感覚過敏が強い方
→ やわらかい光、静かな環境
など、自分に合う「光の量」を探してみるのもおすすめです。
④ 「安さ」だけで選ばないことも大切

宅建士として感じるのは、家賃が極端に安い物件には、何か理由があることも少なくない、ということです。
たとえば、
- 騒音
- 湿気
- 日当たり
- 治安
- 隣人トラブル
など、住んでみてからストレスになることがあります。
メンタルが不安定な時期は、環境から受ける影響も大きくなりやすいため、
「安心して休めること」を優先するのも、とても大切です。
特に音に敏感な方は、
- 鉄筋コンクリート
- 角部屋
- 大通りから少し離れる
などを意識すると、暮らしやすくなる場合があります。
⑤ 「頑張れる家」より、「ラクできる家」

こころが疲れているときは、
「片付けなきゃ」
「料理しなきゃ」
「ちゃんと生活しなきゃ」
と思うだけで苦しくなることがあります。
でも、そんなときは“頑張る”より、“ラクに続けられる工夫”を増やすほうが大切です。
たとえば、
- ゴミ箱を増やす
- 収納をシンプルにする
- 乾燥機付き洗濯機を使う
- 紙皿や使い捨てを活用する
- 動線を短くする
こうした工夫は、「怠け」ではなく、自分を守るための生活スキルです。
特に発達障害のある方では、「気合い」よりも「仕組み」のほうが、生活しやすさにつながることも多いです。
最後に
住まいは、毎日を支える“土台”のような存在です。
だからこそ、
「自分がどんな環境で疲れやすいか」
「どんな空間だと落ち着けるか」
を知ることは、とても大切です。
みんなにとって良い家が、自分にも合うとは限りません。
少し静かな場所が合う人もいれば、
通勤時間を減らしたほうが元気になれる人もいます。
もし今、
「なんとなく毎日しんどい」
と感じているなら、住まいを見直すことでラクになる部分があるかもしれません。
こころのケアは、薬やカウンセリングだけではなく、“暮らしを整えること”から始まる場合もあります。
自分を責めすぎず、「少し暮らしやすい方法」を探していけるといいですね。
生活のお悩みがある方も、お気軽にメンタルクリニックにご相談ください。
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取材実績(一部抜粋)
【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
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【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。
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【YouTube】『かずのすけ』(
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【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
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