休職、休業中の旅行あり?

こんにちは!ゆうメンタルスキンクリニック産業医の森しほです。
さて、よく患者さんや社員の方からこんな質問をいただきます。
「休職中に旅行へ行ってもいいですか?」
「資格の勉強をしても大丈夫ですか?」
「副業はしてもいいのでしょうか?」
また、時に、
「休職中なのに旅行へ行っている人がいました。」
「育休中に資格を取っている人がいます。」
「それってズルくないですか?」
という相談を受けることもあります。
実は、この答えは「どんなお休みなのか」によって全く違います。
傷病手当金を受給しながらの休職、介護休業、産前産後休業、育児休業、年次有給休暇について、
・どこからお金が支払われているのか
・その休みの本来の目的
・旅行や勉強、副業はどう考えればいいのか
をお話しします。
ちなみに、意外と知られていないのですが、「育休」は正式には育児休業です。
「育児休暇」ではありません。
年次有給休暇は「休暇」、育児休業は「休業」、介護休業も「休業」、産前産後休業も「休業」です。
この「休暇」と「休業」の違いには、実は意味があります。
休暇は、働く義務がある日に会社からお休みをもらう制度です。有給休暇のように、基本的には本人が自由に使える時間で、何をするかは本人の裁量が尊重されます。
一方、休業は、「一定の目的のために仕事を休む制度」です。
育児休業なら子どもを養育するため、介護休業なら家族を介護するため、産前産後休業なら出産・産後の回復のため。そして、傷病による休職で傷病手当金を受給している場合は、療養・回復することが目的です。
つまり、「休業」は単に自由時間が増える制度ではありません。
もちろん、その目的に沿った範囲で旅行や勉強、リフレッシュをすることまで否定されるものではありません。しかし、制度の趣旨から大きく外れた過ごし方をすれば、問題になることがあります。
「育休だからずっと休みでしょ」「休職だから家から一歩も出てはいけない」
どちらも極端な考え方です。
大切なのは、「その制度は何のためにあるのか」という目的を理解して過ごすことなのです。
① 年次有給休暇

有給休暇は、会社から通常どおり給与が支払われる休暇です。
これは労働者が自由に使える権利なので、
・旅行
・趣味
・資格の勉強
・家でゆっくり休む
など、基本的には自由です。
ただし、副業については会社の就業規則が適用される場合があります。
② 傷病手当金を受給しながらの休職

ここは誤解がとても多いところです。
休職中のお金は、会社ではなく健康保険から支給される傷病手当金であることが多くあります。
目的は「療養して回復すること」。
だからといって、一日中家に閉じこもることが正解というわけではありません。
例えば、
・主治医の許可を得た旅行
・家族との外出
・散歩
・気分転換
が回復につながることもあります。
一方で、
・毎日朝から晩まで資格学校
・ハードなスポーツ
・夜更かしを繰り返す旅行
・実質的な仕事と変わらない副業
などは、「療養」と矛盾すると判断される可能性があります。
産業医として私が見るのは、「旅行したかどうか」ではなく、
その行動が回復につながっているか。
そこが一番大切です。
③ 産前産後休業

産前産後休業中は、健康保険から出産手当金が支給されます。
目的は、お母さんの体を回復させ、安全に出産・産後を迎えることです。
そのため、無理な旅行や身体への負担が大きい活動はおすすめできません。
勉強を少しすること自体が問題になることは少ないですが、何より優先すべきなのは体の回復です。
④ 育児休業

育児休業中は、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
目的は、子どもを育てること。
旅行に行くこともありますし、資格の勉強をする方もいます。
子どもの生活に支障がなく、育児という目的から大きく外れていなければ、それ自体が問題になることは通常ありません。
⑤ 介護休業

介護休業中は、雇用保険から介護休業給付金が支給されます。
目的は家族の介護です。
介護サービスの利用調整や付き添いの合間に勉強をしたり、短時間リフレッシュしたりすることはあります。
ただし、介護をほとんどせず、制度の趣旨から外れた過ごし方をしている場合には問題となる可能性があります。
「あの人ばかりズルい」と思ったとき
職場では、
「あの人は休職中なのに旅行している。」
「育休中なのに資格を取っている。」
そんな話を耳にすることがあります。
でも、その人の病状や家庭の事情、主治医の指示は、外からは分かりません。
本当に制度を不正利用しているケースもゼロではありませんが、多くは事情が見えないだけということもあります。
そして、「ズルい」という気持ちが強くなるときは、自分自身も疲れていたり、「自分には休む余裕がない」「自分ばかり我慢している」と感じているサインであることも少なくありません。
そんなときは、誰かと比べるよりも、「自分には今、何が必要なんだろう?」と考えてみることも大切です。
産業医おすすめの「休みの過ごし方」
どんな休みでも共通しておすすめしたいのは、
・睡眠を整える
・朝日を浴びる
・軽い散歩をする
・家族や友人と穏やかに過ごす
・栄養バランスのよい食事を心がける
・好きな本を読む
・無理のない範囲で新しいことを学ぶ
・少しずつ生活リズムを整える
ことです。
休むことは、「何もしないこと」だけではありません。
その制度の目的に合った過ごし方を選び、自分の心や体、そして家族との時間を大切にすることが、次の一歩につながります。
取材実績(一部抜粋)
【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
【雑誌】株式会社プレジデント社「PRESIDENT WOMAN」
【TV】フジテレビ『バイキング』
【TV】TBS『ビビット』
【YouTube】『ぶーちゃんねる-歌舞伎町リアル-』(
【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。
)
【YouTube】『かずのすけ』(
敏感肌でもできる【痛くない医療脱毛】はあるの?お肌に優しい脱毛を受け続けたら5年前より若返った30歳男子の『顔脱毛』体験レポ
)
【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
【Web記事】Medicalook
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