共通の課題があると仲良くなる

共通の課題があると仲良くなる

こんにちは!
ゆうメンタルスキンクリニック 医師の森しほです。

「この人ともっと仲良くなりたい。」
恋愛でも、職場でも、家族でも、誰しも一度はそう思った経験があるのではないでしょうか。

そんなとき、多くの人は「もっと話しかけよう」「共通の趣味を探そう」「相手に好かれるように頑張ろう」と考えます。

もちろん、それらも関係づくりには大切です。

しかし心理学や精神医学の研究では、それ以上に人との距離を縮める力がある方法が分かっています。

それは、

「一緒に課題を乗り越えること」

です。

実は、人は楽しい時間だけでなく、「一緒に考えた時間」「困った時間」「協力して乗り越えた時間」によって、強い信頼関係を築きやすいことが知られています。

なぜ一緒に困難を乗り越えると仲良くなるのでしょうか?

この現象は、心理学では「社会的結束(Social Cohesion)」「内集団効果(In-group Effect)」として研究されています。

有名なのが、心理学者ムザファー・シェリフらによる「ロバーズ・ケーブ実験」です。

少年たちを2つのグループに分けると、それぞれが自分たちのグループを守ろうとし、自然と対立が生まれました。

ところが、「みんなで協力しなければ解決できない課題」を与えると、その対立は徐々に消え、お互いを助け合う関係へと変化したのです。

つまり、人は

「あなたが敵」

ではなく、

「課題が敵」

になることで、自然と仲間意識が芽生えます。

これは大人になってからも変わりません。

脳の中でも「絆」が作られている

精神医学の視点からも、この現象は説明できます。

人は適度なストレスや困難に直面すると、「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。

オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」と呼ばれ、相手への信頼や安心感を高める働きがあります。

もちろん、強すぎるストレスは逆効果です。

長期間の過度なストレスは心身を疲弊させ、人間関係にも悪影響を及ぼします。

しかし、「少し頑張れば乗り越えられる課題」を一緒に経験することは、相手との信頼を育てるきっかけになりやすいのです。

雑談だけでは距離が縮まらないこともある

「何度も食事に行っているのに、なかなか距離が縮まらない。」

そんな経験はありませんか。

もちろん会話は大切ですが、雑談だけではお互いの役割が生まれません。

一方で、一緒に料理を作る、旅行を計画する、イベントを企画するなど、「協力する場面」があると、自然と役割分担が生まれます。

「ありがとう。」

「助かった。」

「一緒にできてよかった。」

そんなやり取りが積み重なることで、「この人とは安心して一緒にいられる」という感覚が育っていくのです。

恋愛で実践するなら

恋愛では、「相手を楽しませよう」と一人で頑張りすぎる方も少なくありません。

しかし、それよりもおすすめなのは、「二人で挑戦すること」を増やすことです。

例えば、

 ・脱出ゲームや謎解きイベント
・料理教室
・旅行の計画を一緒に立てる
・スポーツやボルダリング
・ウォーキングやランニング
・資格試験や語学学習
・「今年やりたいことリスト」を一緒に作る

こうした体験では、「一緒に達成した」という感覚が生まれやすくなります。

また、旅行中に道に迷ったり、お店が休みだったりといったハプニングも、「最悪だった」で終わらせず、「一緒に乗り越えた思い出」と捉えられると、その経験自体が絆になることがあります。

恋愛で気をつけたいこと

ここで勘違いしてはいけないのは、「困難を作ればよい」というわけではありません。

相手を試すような行動や、わざと嫉妬させること、駆け引きをすることは、信頼関係を壊してしまうことがあります。

また、「共通の敵」を作ることと、「誰かの悪口で盛り上がること」はまったく別です。

悪口で一時的に盛り上がることはあっても、長期的には「自分も陰で言われるのでは」という不安につながり、信頼を損ねることがあります。

目指したいのは、

「あなたと私が一緒に課題へ向かう」

という関係です。

職場ではどうでしょうか?

これは恋愛だけでなく、職場でも非常に重要です。

人間関係が良い職場には共通点があります。

それは、

「誰が悪いか」

ではなく、

「どうすれば解決できるか」

という視点で話し合えることです。

例えば、ミスが起きたときに犯人探しをするよりも、

「次はどうすれば防げるだろう?」

とチーム全体で考える職場では、心理的安全性が高まり、助け合いが生まれやすくなります。

また、

 ・部署を超えたプロジェクト
・後輩を育てる仕組み
・困ったときに相談しやすい雰囲気
・成功体験をチームで共有する

こうした環境も、「一緒に課題を乗り越える経験」を増やしてくれます。

家族や子育てにも応用できます

この考え方は家族にも役立ちます。

例えば、

「早く片付けなさい!」

ではなく、

「10分で一緒に終わらせよう!」

と声をかける。

「宿題やったの?」

ではなく、

「今日はどこまで一緒に進めようか。」

そんな関わり方をするだけでも、「親が敵」ではなく、「課題を一緒に解決する仲間」という感覚が育ちやすくなります。

夫婦でも、

「家事を手伝って。」

ではなく、

「今日は一緒に30分で終わらせよう。」

という伝え方のほうが、協力しやすいこともあります。

医師として感じること

人間関係が長続きする方には共通点があります。

それは、「相手を変えよう」とするよりも、「一緒に考えよう」という姿勢を持っていることです。

人は、自分を評価してくれる人よりも、自分と一緒に悩み、一緒に前を向いてくれる人に安心感を抱きます。

「一緒に考えよう。」

「どうしたらできそうかな。」

そんな一言が、人との距離を縮めることも少なくありません。

最後に

人との関係を深めたいとき、「もっと面白い話をしなきゃ」「もっと好かれなきゃ」と頑張りすぎてしまう方は多いものです。

でも、本当に距離を縮めるのは、「一緒に何かを乗り越えた」という経験なのかもしれません。

恋愛でも、職場でも、家族でも。

「あなた vs 私」ではなく、

「あなたと私 vs 課題」

という視点を少しだけ意識してみてください。

一緒に考え、一緒に悩み、一緒に達成する時間は、きっと人との絆を少しずつ育ててくれるはずです。

この記事の著者

森 しほ

ゆうメンタルクリニック・ゆうスキンクリニックにて勤務。
産業医として一般企業のケアも行っている。

◆専門分野: 精神医療 / 皮膚科
◆資格:日本抗加齢医学会専門医 / 産業医 / 公認心理師
◆所属学会:日本皮膚科学会 / 日本抗加齢医学会
◆著書:『発達障害ママの子育てハック(監修) 』飛鳥新社

 

  取材実績(一部抜粋)

【雑誌】マガジンハウス「Tarzan」
【雑誌】株式会社プレジデント社「PRESIDENT WOMAN」
【TV】フジテレビ『バイキング』
【TV】TBS『ビビット』
【YouTube】『ぶーちゃんねる-歌舞伎町リアル-』( 【病院】歩き辛いくらいアトピーがひどいので皮膚科に行ってきました。
【YouTube】『かずのすけ』( 敏感肌でもできる【痛くない医療脱毛】はあるの?お肌に優しい脱毛を受け続けたら5年前より若返った30歳男子の『顔脱毛』体験レポ
【Web記事】LITALICO発達ナビ
【Web記事】LITALICO仕事ナビ
【Web記事】Medicalook

他多数

森しほへの取材依頼はこちら

必須 お名前
必須 メールアドレス
必須 電話番号
必須 お問い合わせ内容

ご取材内容についてご記載ください。

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

ゆうメンタルクリニックは、診察を『24時間・365日』受け付けております!
どんなお悩みも、お気軽にご相談ください。


診察を申し込む

ゆうメンタルクリニックは
全ての院が駅ほぼ0分でフリーアクセス!
お近くの院をお選びください!

東京都


関東近郊


関西・東海


北海道


オンラインカウンセリング【iカウンセラー】お近くにメンタルクリニックがなくても、自宅から安心してカウンセリング!深夜2時まで受けられる!あなたの「つらい」を経験豊富なカウンセラーがしっかりケア