ゴムをつけることで気持ちを前向きにする心理学テクニック!

ここでは皆さんの気持ちをラクにしたり、楽しくしたり、もしくは前向きにしたり…
そんなようなお話ができたらな、と思っています。

皆さんは、ネガティブな感情に引き込まれたり、悪いクセをついついやってしまったりすることはありませんか?
生きていると、ちょっとしたことをきっかけに、あっという間にネガティブな思考や行動に引きずり込まれてしまうこともあるものです。

今回はネガティブなものに引き込まれず、気持ちを前向きにできるテクニックをお教えします。

効果抜群「ゴムバンド法」

アメリカのペンシルベニア州にペンデル精神センターという所があります。
そこのマックス・マステロン先生が「ゴムバンド法」というものを開発しました。

この方法は、輪ゴムを手首に引っかけて行います。
たとえばネガティブな感情に引き込まれたり、悪いクセをやってしまいそうになったときに輪ゴムをひっぱってパチンと手首に刺激を与えるというものです。

この方法によって、抜毛症の人のクセがほとんどなくなり、その後一年間輪ゴムがなくても再発しなかったという事例や、性的空想ばかりしてしまう男性が、空想にとらわれずに集中して生活できたという事例があります。
単純な作業ではありますが、行うことで気持ちがリセットされ、通常に戻ってくるという大きな効果があるのです。

ポイントは「痛み」にある!

この「ゴムバンド法」は、マインドフルネスに通ずるところがあると考えます。

マインドフルネスというのは、「今ここ」にある自分の気持ちやこの瞬間に意識を集中することで、心を落ち着けリラックスさせるという方法です。

そして輪ゴムをパチンとやることは、明らかに「痛っ!」という感覚を持つことになります。
このちょっとした「痛み刺激」がとても重要です。

痛みというのは、やはり人間にとって根源的で強烈的なもの。
さらに瞬間的に感じているリアルなものであるため、「今」に意識を向けるきっかけになります。

これがたとえば、心の中だけで「今ここに意識を戻さなきゃ!」と考えたとすると、モヤモヤとしたアバウトな気持ちのまま終わってしまう可能性が高いでしょう。
痛みで「おっと」と気づくのをきっかけに、意識を集中させることができるというわけです。

実際に輪ゴムを使って試してみるのも一つの手ですが、ない場合には指などで手首をパチンとやってみるのも良いでしょう。
やりすぎないように気をつけつつ、こちらの「ゴムバンド法」ぜひ試してみてくださいね。

何か少しでも参考になることがあれば幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

音声で聞きたい方はこちらから「ゴムをつけることで気持ちを前向きにする心理学テクニック!

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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