自殺は「回復しかけ」が一番危ない!~女医が教える心療内科

自殺は「回復しかけ」が一番危ない!~女医が教える心療内科

さてみなさん、「自殺は『回復しかけ』が一番危ない」という言葉を知っていますでしょうか?

実際、うつ病になると、自殺をしてしまうリスクが格段に上がります。
もちろんこのとき、一番重要なことは、心療内科や精神科で治療を受けることです。

しかし、治療を受けて、改善を見せたからといって、安心というわけではありません。

実はうつ病は、重度から改善しかけているときほど危険。
そもそも重症のときは、「死にたい」という気持ちがありつつも、全体的に気力が落ちているため、死ぬための行動を取ることもできません。
たとえば飛び降りをするためには、高いところに行かなくてはいけませんが、そこまで行くこともできません。
また首吊りのためのロープを購入するのも、何がいいのか(いい、というのもヘンですが)を選ぶ必要があります。

くわえて自殺を実行しようとしても、うまく行かないと、死にきれないこともあります。
それは誰にとってもイヤなことでしょうから、比較的「確実に死ぬ」ための計画を立てなくてはいけません。

これらすべてに気力や体力を必要とするため、あまりにうつ病が重症の場合、実行することができないのです。

しかし。

症状が改善してきた場合、「死にたい」という気持ちが残ったまま、気力だけが回復することがあります。

自殺は「回復しかけ」が一番危ない!~女医が教える心療内科

さらに症状が改善してくると、
「今まで休んでたけど、これで会社に戻れるね」
「また元の生活に戻れるね」
など家族から言われることもあります。

家族としては当然、嬉しいこととして話しています。
しかし本人にとっては
「またあの会社に戻るのか…」
「あのストレスフルな生活がまた始まるのか…」
ということで、気持ちがさらに落ちてしまうこともあります。

ある意味、月曜日の朝(または日曜日の夜)に気持ちが落ち込んでしまうのに似ています。

だからこそ、自殺をしてしまう…というわけですね。

よって「治療が進み、治りかけてきた」からといって、本人はもちろん、周囲の方も、あまり安心しすぎないことです。

十分に行動を見て、どんな気持ちでいるか、何か問題行動を取ろうとしていないかを確認して、必要あればなるべくそばにいてあげるようにしましょう。

何か少しでも参考になることがあれば幸いです。

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

(完)

官越いやし|ゆうメンタルクリニック心療内科・精神科

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特別監修・ゆうきゆう
精神科医、心理学者。
東京大学医学部医学科を卒業後、うつ病・統合失調症・てんかん・パニック障害・社交不安障害・不眠症など多くの疾患の治療を行い、2008年よりゆうメンタルクリニックを開院。
『マンガで分かる心療内科』の他、100冊以上の著作があります。

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