酒でストレスはさらに強まる!ラットの電気ショック実験~女医が教える心療内科

こんな実験があります。
ラットを以下のABのグループに分けて
Aただ電気ショックを与える
B電気ショックを与えて、そのあとにアルコールを注射する
とします。
するとその結果。
Bのアルコールを注射されたグループは、Aに比べて、より電気ショックを恐れるようになりました。
もちろん、ラットと人間、電気ショックと通常のストレスをそのまんま比べることはできないかもしれません。
しかし
「ストレスを感じたあとにお酒を摂取すると、そのストレスがより大きくなる可能性がある」
ということが示唆される実験結果ではあります。

実際にアルコール依存症の方は、たいていにおいて
「苦しいことがあると、お酒を飲む」
という行動パターンを繰り返しています。
そのため
「お酒があるから、自分は救われているんだ」
「お酒のおかげで、ストレスを和らげているんだ」
と話すことも多々あります。
よって、いかにお酒の害を説明しても、
「いや、でもお酒は必要だから」
と思って、そうカンタンにやめることはありません。
しかし、この実験によって、ストレスを一瞬は忘れることができても、そのあとにさらにストレスを恐れてしまう、ということが分かるわけです。
そもそもお酒は快感ホルモンであるドーパミンを放出させますが、強制的にドーパミンを放出していると、どんどん出づらくなることが分かっています。
ドーパミンは何かをガマンしたりするときにも出ますので、出づらくなっていると、色々なことにたいして耐性がなくなったり、こらえる力が減ってしまう可能性があります。
よってお酒をたくさん飲んでいると、ストレスがより苦しくなってしまうわけですね。
と説明しても、もちろん「お酒が必要!」と思い込んでいれば、なかなか納得はできないと思いますが…。
とはいえ、少しでも何か引っかかるものがありましたら幸いです。
ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。
(完)

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