【精神科医に聞く】子どもとどうやって過ごす?「コロナ休暇」

コロナウイルスの蔓延で学校は休校状態が続いています。子どもの学力低下など今までに経験したことのない心配も増え、どうしたらよいか戸惑う親御さんも多いかと思います。

今回この休暇中、どのように子供と過ごしたらよいか、精神科医のゆうきゆう先生にお伺いいたしました。

【精神科医に聞く】子どもとどうやって過ごす?「コロナ休暇」

Q.学校がないとどうしてもだらけてしまいます。
生活リズムってどうやって整えればいいのでしょうか?

朝起きる時間を毎朝同じ時間にしてください。まずはそれだけでOKです。寝るのが遅かったから翌朝は10時に起きよう! はNGです。寝る時間はどんどんと遅くにずれがちなものです。

就寝時間や睡眠時間を同じにしようとするよりも、起きる時間を固定する方が、生活リズムは狂いにくいのです。朝起きて寝不足を感じたら、二度寝はしないでその日の夜、早めに寝るようにします。

Q.言っても言っても勉強しない!!
勉強させるよい方法ってありますか?

ごほうびを上手に使ってやる気を起こさせましょう。『ワーク1ぺ―ジやったらゲーム一時間』とか『漢字10個覚えたらおやつ食べていい』とか。そしてちゃんとやりおおせたら、よくがんばったね!!とほめてあげることが大切です。ほめてもらうと、子どものやる気はぐっと育つのです。

Q.お休み中はどんな勉強を、どのくらいしたらいいのでしょう?

学校が休みの時にしかできないような、科目にとらわれない自由研究的な勉強はいかがでしょうか?たとえばアリを一日中観察するとか、おばあちゃんに地元の昔話を聞くとか…やりたいことは子どもが決めます。子どもはもともと探求心旺盛です。自分なりに気になったことをつきつめてゆく勉強にはきっと前向きに取り組み、彼らにとって有意義な経験になるでしょう。

あとは、一日のうち一定時間机に向かう習慣は崩さないよう、1日5分でもドリルを解くなどは続けたほうがいいでしょうね。

Q.父親が子どもとかかわろうとしないんです。
子供がさみしそう…

お父さんが好きなことや得意なことを子供と一緒にするのはどうでしょう?ゲームでも釣りでも、お父さんが楽しめることでOKです。子どもに合わせる必要はありません。親子というよりも、年の離れた兄弟か友だちのように無邪気な時間を過ごせたら、父子の間隔はぐっと縮まるかと思います。

Q.もっとお手伝いしてほしいんだけど…。おこづかい制にすると、報酬がないと動かなくなるのではと心配です

おこづかい制は悪くないと思いますよ。親子でちゃんと決めごとをしたうえでの報酬でしたら、悪影響を心配することはないでしょう。ただ、おこづかいのようなごほうびも有効ですが、子供がもっとも喜ぶことは『親に感謝される』ことです。

親に『ありがとう。たすかったわ』と言われることが、子どもにとっては一番のごほうびなのです。

Q.家にいると兄弟でけんかばかり!
どうしても上の子を怒っちゃうのですが…

親はできるかぎり、けんかの仲裁に入らないほうがいいでしょう。子どもが兄弟ケンカから学ぶことは、実はたくさんあります。なるべく放置しておきましょう。案外ケロッと仲直りしたりするものです。

でもあまりに暴力的だったり、騒がしかったりする場合は『どちらが悪い』などということなく『うるさいからもうおしまいー』『おやつの時間だよ』など気分をそらせるような形で声がけしましょう。

Q.子どもとはどのくらい関わればいいの?

子供の年齢にもよりますが『求められれば応じる』程度のかかわりで充分ではないでしょうか?常に子どもの遊び相手である必要はなく、親は、子どもが安心して新しい世界へ飛び立っていける航空母艦のような存在であってもらえれば、と思います。

【精神科医に聞く】子どもとどうやって過ごす?「コロナ休暇」

学力低下なども気になる先の見えない休校状態。いろいろと心配にはなりますが、ネガティブな部分ばかりに注目していると気分もどんどん落ち込んでしまいます。

学校がない分、家族一緒にいられる時間が増えたことを少しでも前向きにとらえてみましょう。子どもは親の鏡です。親のあなたが明るくいれば、子どももきっと明るい気分になるはず。

今日「よかったこと」「楽しいこと」を家族で探してみませんか?

ゆうきゆう先生

精神科医。マンガ原作者。東京大学医学部卒業。
「マンガで分かる心療内科」など著書多数。